金曜ベーシック、カズオこと千葉一雄です。先日、山上先生のバラエティ講座を受けて、感じたことを書かせていただきます。
お笑い芸人が24時間、納豆を混ぜ続けたらどうなるかというバラエティの原稿を読み上げ、山上先生が○か×をつけていくという内容でした。
1回目、自分の評価はベーシックとしては○、仕事としては×という判定でした。2回目、やったことは、少しだけ声を大きくしただけで、内容は1回目とたいして変わらないものでした。それに対して山上先生からは、2回目だからキャスティングを考えてみようと。1番うまいか、1番下手か、1番腹が立つ読み方か。なんでもいいからディレクターに印象づけなければ意味がない。
声を大きくする、読み方を変えてみるのは家での練習で出来ること。どれがおもしろいかを聞きにくるのがレッスンで、ちょっとづつ声の大きさを上げるだけでは何の意味も無いと。
今までの自分はただ、うまく読みたいという意識ばかりでキャスティングを考えて読むといくことはあまりしてきませんでした。当たり前のことですが、キャスティングされなければ仕事はもらえません。その大前提を考えず、自分とはまだ関係ないと考え、それよりもうまく話せるようになりたいとばかり考えていました。
山上先生がレッスンやアフターバーズでもよくおっしゃっているように、うまい人はたくさんいる。でもうまい人が必ず売れるわけではない。仕事をとるためのレッスンなのに自分にはその意識が希薄過ぎました。
その後、自分なりに変えたつもりでしたが全然変化が起こりませんでした。×を出されるということは、それはディレクターの求めるものではないということ。同じことをやってはいけない。意識しても変えられないようなら体を動かして変えるしかない。それが山上流改善策でした。
山上先生は、サンバを踊る、相撲をする、怒るなど、原稿内容とはまったく関係の無いことをしながら原稿を読むというアプローチの仕方で変化を起こそうとしてくれました。共通しているのは非日常的な事をすることにより、その人が持っている限界を超えたものを引き出そうとすること。
予定調和の表現では胸は打たれない。その人がなんとか搾り出して発した表現こそが胸を打つのだと。
これらのアプローチによって、クラスメイトの表現が1回目とあきらかに変化しているのがわかりました。自分でも全然違っているなというのが実感できました。
常に言われている「ど頭マックス!」自分ではやっているつもりでもなかなか出来ていない。最後のほうに出来た表現を、山上先生の力を借りずに頭から出来るようになる。それが今の課題ではないかと思いました。
また、今回のレッスンは感情的な部分だけでなく、①文章の最後を立てるなら、その前は落とす。最後から逆算して考えるとどう読めばいいかがわかる。②巻いたら、その後はゆっくり話すなど、とめ・はねをしっかり意識する。③文章の終わりの音と出だしの音が同じ高さなら、間をあけても違和感無く聞こえる。という①強弱・②緩急・③高低の技術的な事も学べ、とてもためになりました。
ど頭マックス!とキャスティングの意識を忘れず、残り少ないレッスンを頑張ります!
最後にオリンピック期間ということで、自分が印象に残っている名言を。
「勝負は強い者が勝つのではなくて、勝った者が強いんだ」
元々はサッカーの西ドイツ代表、フランツ・ベッケンバウアーが言った名言ですが、自分には長野オリンピック、スピードスケート日本代表の堀井学選手が言った、この言葉がとても印象に残っています。それまで金メダル最有力候補として挙げられていたのに、新たに導入されたスラップスケートの取り組みが遅れたため、長野オリンピックでは惨敗。
潔く自分の負けを受け入れ、涙を浮かべながら発したこの言葉が胸に響きました。
「うまい人はたくさんいる。でもうまい人が必ず売れるわけではない。」この言葉を初めて聞いたときにこの場面が頭に浮かんだのを覚えています。
どこか似ていると思いませんか。
カズオ