四次元ポケットにひみつ道具を

うだるような暑さ、でも私の心は井上陽水が歌いかけて来そうな勢いで夏模様。

藤本先生の「情報番組とVO」は、モテ女の常套句「すご~い!こんなの初めて~!!」を地で行くくらい初めて続きの授業だった。

まず前半はボイスオーバーのレッスン。
今まで報道番組の授業などで軽く原稿に人物のセリフが書かれていることはあったけれども、本格的にボイスオーバーをやってみるのは初めて。
しかも映像に合わせての実技ともあり、原稿、映像、タイムコードを同時に見ていかなくてはならない難しさ。
今回の授業のようなボイスオーバーはどちらかと言えば声優の領域に近いため、できなくてもまったく問題なしとのことだったが、口を見て紙を見てタイムを見てというのは、余裕など全くなく、本気で額に第3の目でも開眼すれば良いのにと思った。

そして後半は、今までの藤本先生の授業の集大成とも言うべき、情報番組の原稿を映像に合わせて読むレッスン。
映像に合わせて原稿を読むこと自体が初めてで、こちらもひたすらドキドキ、原稿を持つ手が湿ってくる。
授業の中で教わったこと、導入部分をどう読むか、CM振りをどう読むかなど構成をあれこれ考えてみるも、今までの授業よりも格段に長い文章(とは言え番組でいう所のかなり冒頭)で、実際には考える余裕もないほど目まぐるしく終わってしまった。

今回、初めて映像と合わせて読んでみて、私はまだまだ追うのに必死で余裕がなかったと思うと同時に、自分が今後取り組んでいくべき課題もはっきりしたように思う。
藤本先生はどの授業でも必ず「自分の中にないものは出せない」と仰る通り、自分の引き出しにない表現はどうがんばってもやれないし、見よう見真似でやってみたとしても使いこなせないと改めて実感する。
私の引き出しを増やすために必要なのは、基礎の土台を底上げしていくことと、常にアンテナを張って新しく吸収していくことだ。

この半年間は私にとって、自分のポケットをどんどん広げて四次元ポケットにしていく作業で、そこにどんどん新しい道具を詰めていくような感覚だった。
今の私のポケットは、限りなく四次元に近づけるように拡張中でごくわずかな道具が入っているだけだが、それでも何を揃えたら良いのか分かる感性が確実に身についてきているように思う。

来るべき日のために、これからどんどんとっておきのひみつ道具を揃えに行こうと思う。

未来デパート、もといボイトレ行きます 土曜コア 大島