「ZONOの読みはまぁ…だけど、そんなこと以前に何かもの足りない。」
「ZONO、お前は根本的にズレている!」
と、そんなアドバイスを講師陣の皆様からクラスの仲間まで異口同音にいただいていながら
自分なりの答えが出せなくてじれったい日々を送っている金曜ネクストDJ-ZONOです。
土曜日の夜、友人のライブを観に行ったときに巡りあった話を聞いてもらおうと
敢えてアップしてみることにしました。ナレーションの話では無いのですが。
私と同じような悩みを抱えている方の助けになる…かなと。
〜これは、土曜の夜、小さなライブハウスで私が遭遇した出来事〜
友人の出番に併せ駆け込みで会場に飛び込んだ私。
始めは何気に聴いていたのですが…やがてステージ袖に置いてあるものが私の気を引きつけて止まなくなりました。
それは、歌う友人の傍らに…キャベツが1玉。
ただのキャベツならまだしも、周りをひと巻きお店のシールが巻かれたままの、
スーパーの店先からそのまま持ってきたような「生活感が生々しいキャベツ」
非日常のライブハウスに…日常感が生々しいキャベツ1玉??
一見ありえない取り合わせに目を奪われました。
友人の出番が終わり、代わって男性シンガーが登場。
一見ジャニーズに居そうな形をしたスレンダーな男一人。聞けば今回が初ステージだとか。
〜1曲目を歌いだします。アップテンポな曲ながら、自分の歌でもう一杯になってしまい
目の前の譜面台に置いた歌詞のメモに釘付け、ステージ下は無反応でカラオケみたいな状態に…。
初ステージ1曲目を歌い終えてMC。緊張を隠せない様子の彼がステージを降りキャベツを手にとって上がりました。
〜話によれば私が会場に着く前に出演した人が、ステージ上下でジャンケンし買った1人へキャベツをプレゼントするという
パフォーマンスをしたらしく、本来なら来場したお客が受け取るところを演者の彼が勝ち取ってしまった…と申し訳なさそうに話すのでした。
そしてキャベツを戻そうとしたそのとき〜
「キャベツ持って歌って!」
ステージ下から黄色い声がかかった、その声は次第に会場の奥へ広がっていく…。
さらには「キャベツ食べて!」なんて太い声まで上がりだす。
その声に圧され一瞬戸惑った様子から意を決して、
彼はキャベツを抱えて次の曲を歌い始めました。
ライブハウスで片手にマイクを握り、もう一方の手にキャベツを握り真剣に歌う・・・
媚びることなく、意識するでもなく、無心に体で取るリズムに合わせてスポットを浴びたキャベツが舞う。
〜その違和感が新鮮さを醸して、観客の心を掴みます!
さっきと空気はガラリと変わり、誰彼なくリズムをとり拍手を送る。
彼は更に間奏でリクエストに応えキャベツにかぶりつく!
オーディエンスはあらん限りの歓声を上げて応える!
そして間奏が終わるまでに食べきれず歌い出しで咽(ムセ)る!
…体勢を立て直しキャベツをステージ袖に置いてラストナンバー。
オーディエンスの一人がキャベツを取り上げ掲げてリズムに乗っています。
更にはテンポに合わせてキャベツを放り上げて盛り上げます。
〜もしこれが矢沢永吉のライブのように無数のキャベツが舞い上がったら〜
…なんて思いながら観ているうちに終了。
初ライブを終えた彼は上気した顔で照れくさそうに短く礼を述べてステージを降りていったのでした。
ライブ終了後、漏れ聞く会話の中に「キャベツの人が・・・」と話題に上がり
帰り際に「キャベツ!頑張れよ!」と声をかけて行く人もいたり。
その夜、彼は初ステージで他に5組いた常連の演者を超えて
名は覚えられなくても自分のお客を超えて来場者に記憶を残したのでした。
これは偶然の結果〜ではあるでしょう。
そして彼には二度と訪れない、二度求めてはならない偶然でしょう。
でもあの時、2曲目に入るとき
キャベツをステージ袖に戻していたら…
キャベツをあざとく振り回して歌っていたら…
結末は全く違ったものになったでしょう。
もし、この一連をナレーターに置き換えたら。
営業でこのインパクトを残したなら…。
このライブは偶然の出来事ですが。
プロとしてこの「歌・ライブハウス・キャベツ」に匹敵する、
「違和感がありながら新鮮味を醸す」表現を掴んだら・・・。
このところの私の読みを振り返ってみて…
もしもあのステージで私がキャベツを持って上がったならば
これ見よがしにキャベツを振り回して、会場に大いにしらけさせた事でしょう。
売れるための要素として教えを受けた17か条の内の「運・華・品・毒」で
その機会を得た「運」
キャベツの存在が「毒」
キャベツの扱いが「品」
キャベツでなければ「華」とできたかもしれない。
心を掴むプロはさりげなくキャベツを持っている。
それはホンの薄皮一枚かもしれない。
でもその一枚の扱い方を熟知して現場に向かい表現を幾倍にも生かしている。
いや、誰もが内にキャベツをまたはその種を持っているはず。
自分のうちに信じる何かを感じたからこそ、ここに居るんじゃないのか!
ここまで、「ぬるい」「つまらない」「面白くない」と結果が出せなかった私が
そして、今同じ悩みを抱えているあなたが求められているのは。
「正しく読む、その上に心を掴む表現」そして、私が小さなライブハウスで目撃した空気を破ったあの瞬間なんだ。
そしてここが終わりではなく始まりなんだ。
ここを通り抜けた人には屁でも無いだろう。
というかまだズレているとほくそ笑むかも知れない。
でも、私は空気を破る。破ってみせる!
長い文になってしまい申し訳ありません。
観たこと感じた事を忘れぬうちに可能な限り綴ってみました。
差し支えなければ「バカ!」の一言でも感想をいただければ幸いです
最後まで読んでいただいたあなたに
如何なる感想を持たれたとしても厚く御礼申し上げます。