「そんなに重要だったとは」 コピーセミナーでの実感

声優を辞めスクールバーズに入って1年数か月。よく講師陣から聞かれた「売れっ子の完全コピー」。それを実践することによって見えるものがあるという。そしてそれは最強の練習だという。
(*・ω・)「そうなんだ!」と思い、何が何だか分からないけど家でやってみる。
確かに番組から原稿を書き起こしてみるのは新鮮だし、真剣に番組に向き合っている感があって「勉強してる」気になる。
しかし続かない。いや練習としては続けているのだが「何かが」続かない。実らない。
「何が何だか分からない」状態で続ける練習は質が悪い。そのうち時間だけを浪費している自分に気付くのだが
「ではどうすれば良いか」なんて見当も付かない。才能がある人間は自分で気付く。凡人の僕は気付けない。
実際コピーセミナーの謳い文句にもこうある。(コピーするにしてもどこに目をつければいいか、どの程度まで深めるべきかがわからず、「つもり」で終わってしまうことも多く、回り道になってしまいがち)
まさに上記の状態が自分である。回り道どころか一歩も歩けない。動けない実感が「自分はこの世界には向いていない」意識を煽りやがて意気消沈し死んだ魚の目になった。
藁にもすがる気持ちで「コピーセミナー」を受講した。
幸い一回目の授業ですぐに気付けた事があった。「プロはコピーを真剣にやってるんだ」という当たり前の事実。あおいさんの真剣さがその当たり前の事実を伝えてくれる。
あまりにもお粗末ではないか。(プロナレーターが売れたあとも続けている最強の練習) と聞いていたのに何処か信じ切れていない自分が居た事を知る。普段から「いろんな事が信じ切れない自分」が居た事も知った。口先だけで「なるほどなるほど」と言ってた自分が恥ずかしい。
翌週の山上さんの座学には複数回の落雷を受ける。「コピーの仕方を手とり足とり教えるものではない」と断りを入れながらも結構手とり足とり教えてくれたし、それによって得られるものは何かなどの問いやヒントなども詰め込んでくる。今後どうなりたい?どの山登るつもりなの?考えさせる種を皆に植え付けようとしている。「今現在自分が持っている知識を出来るだけ分かりやすく伝えたい」という意気込みに溢れていた。
「入力→変換→出力において、あなたが見ているものは本質か」
「入力段階で吸収できる量が違うのは何故か」
「先入観がよく見る事を妨げ先々へと進もうと焦り見落とす」
初歩の初歩からの説明~番組制作に携わる人々の考え、道理と生理の話までギッチリ詰め込んだ座学だった。
普通のスクールは一度作ったテンプレートを何年も使い回して教えるがバーズは刻々と変化する時代に合わせて毎度毎度進化させていく。業界がそっくり引っくり返る事は考えにくいが、もしそうなった時も一から作り直す覚悟が感じられる。山上さんは生徒のリアクションが少ないと感じられたようたが落雷の衝撃が大きかっただけだと思う。
山上さんの座学が終わりそのまま大江戸さんの授業に入る。座学によって練習してきたことのおよそ大半が間違えている事を教えられた自分。その精神状態であやふやなプレイをしてしまう。
大江戸さんはいつもの優しい口調でダメ出しをしてくれるのだが右眼球の水晶体の奥の網膜に「コピーなめんな」左眼球の水晶体の奥の網膜に「てめぇ殺すぞ」と赤い文字が書かれているのが読めた。
そう。プロになってもコピーを真剣にやってるのである。
コピーセミナー受講中 名無しの権兵衛

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