藤本さんの授業とボイスサンプル制作。

土曜コアの田中早弥です。
今週は藤本さんの「情報の多様性」を受講しました。

前回までの藤本さんの授業で、
「声の作ってる感」と言う課題がありました。
内容の明るさに引っ張られた結果、きっと可愛らしい声がいいだろうと言う安易な想像により、無理に出した音であったと思います。 そうではなくて、今の自分が出せる素直な音のまま緩急を付ける事によって明るさを出すと言うイメージで改善をしてみたところ、良くなったと言っていただけました。 「こんな雰囲気を出したい」だとか、「こんな声がいい」と言う欲を思い切り捨ててみた結果、急にしっくり来た感覚がありました。 自分の素直に出した音と相性の良いジャンルの原稿でしか上手くいっていなかったところから、他のジャンルへの苦手意識が減り少し変わり始めたのかなと思います。 そして無理に出した音では無い事によって、スピードや高低差がとにかく付けやすい。
ご指摘を頂けて良かったです。

ただ、「フラットに読む」と言う事がとにかく出来ません。
ニュースであれば、ひたすら暗くなってしまいがちです。
コツを聞いてもなかなか理解できずアドバイスを反映できないままでいます。
他の読みで何か強みがあるならば、今はフラットを捨てるも選択の一つだと助言して下さった方が何人かいました。
変に気にして、フラット!フラット!と頭がいっぱいだったのですが、今の段階ではフラットな読みは楽しめる程度に練習していこうと、この考えがいいのかは分かりませんが脳内が少し穏やかになった気がします。 そしてそれによって、どう練習するか考えやすくなりました。
とりあえずフラットに読むが得意なナレーターさんをミラーリングして、コツは良く分かっていないけど、なんか真似はできる!という第一段階にまずは持っていこうと考えています。

今日スポーツを読んだ時、大江戸さんのNスタをミラーリングして授業で実践してみました。
藤本さんは、ミラーリングしたらどんどん授業でやってみて!と毎回言ってくださるので授業で思い切り挑みやすいです。
沢山聞いた事によって大江戸さんならこう読むだろうなと言う音が自然と頭に浮かぶ状態は、まっさらな状態から想像してどう読むか組み立ててから読むと言う普段より、何倍も声が出しやすくイメージを音に変えられている感覚がして楽しかったのと、しっくりきた感覚がありました。 藤本さんからは、大江戸さんぽさはそこまでなかったけどスポーツの雰囲気は出せていたと言っていただきました。

スポーツというジャンルにおいては、それぞれの競技によってもスピード感や雰囲気が変わるという事を教えて頂き盲点でした。
様々なジャンルのスポーツに目を向けてみるという次にやる事も決める事ができたと思います。
また、勢いのあるスポーツと他にドキュメンタリーのスポーツも出来たら良いかもね!と藤本さんから言って頂いたので、それぞれ練習してスポーツで一本ボイスサンプルを作りたいと考えています。 ミラーリングもまだ甘いですが、技術がない自分は考えて構成するより「プロを真似する」をとにかく続けて、苦手分野ものちにコツを掴んでいけたらと思います。

そして次の課題点としては、「視聴者との距離感」と言うのがかなり自分には大きいと感じています。
司会の仕事をして目の前にお客さんがいた時とは全く違う、テレビの前で見ているであろう、ナレーションをしている自分の前には見えないお客さん。 理解しているつもりで、全く取れていない距離感。
色んな先生達がこんな感じと伝えてくださっているのですが、正直まだ全くその感覚はないままです。
他の生徒さんで同じように距離感を掴めていないと指摘されている方が何人かいたので、ナレーションする側でなくナレーションを聴く側に立ち客観的にその意味や違和感を感じる事で少し掴めるのかなと思っています。 複数で一緒に授業を受ける重要性とありがたさを感じている最近です。
藤本さんの「対象を定める」と言うお言葉を意識し改善策を練ろうと思います。

そして今日、ボイスサンプルをアフターで初めて皆さんに聴いて頂きました。
ボイスサンプルを制作すると言う工程は、とても濃い勉強になったと思います。
入学してすぐボイスサンプルを作った方がいいと言われた意味を深く理解できました。
課題点を見つけられた事と、理解が及んでいなかった部分の答え合わせが出来た事、そして堀場さんを独り占めして沢山質問出来たこと、とにかく作成前と後で大きな変化を頂けたと思います。 ボイスサンプルは仕事を取る為の物と理解していましたが、成長に必要な材料集めに最適な勉強法だったんだと分かりました。
時期関係なく、さらに向上したいとか問題点が何処か分からなくなった時、ボイスサンプルを作るようにしようと思います。

制作前、文章を文章として見ていたところから文章を映像として見られるように変わりはじめました。
そしてそれによって尋常じゃない程、文章を音に変えやすくなった感覚があります。
上手く言葉にできませんが、
「ここを高く・ここはゆっくり」の様な自分で緻密に構成をしなければ文章をナレーションに変えられなかった地点から、その手間が省けたような、映像がこうなんだからきっとここのナレーションはこうなるよね!とすんなり想定し頭が動いている感覚です。 それを確実に音に変えると言うのはまだ出きませんが、イメージが浮かぶようになっただけでも大きな一歩だったと思います。
悩んで悩んで音にしていた以前と比べて、合っているかは分からないけど頭に浮かんだその映像に、ミラーリングしたプロのあの人ならこう音をのせるだろうとナレーションする感じ。 映像の想像+ミラーリングがやっと繋がった感覚があります。
自分的にしっくりきた音を声に出しナレーションする事がとにかく今は楽しいです。

原稿を渡されて「映像を想像する」という過程で、
先に作られた映像にナレーションをのせると言う当たり前の事を想定しやっていたつもりだったのですが、
制作前の私は映像の想像を技術の不足と良い感じにナレーションしたいと言う欲によって都合よく利用し、
自分の読みやすいように脳内で映像を作っていたんだなと気付きました。
先に自分のやりやすいナレーションありきで、それに合わせて後から映像を当てはめたような、リアルな番組制作とは逆の動きをしてしまっていたようです。 自分のナレーションがなんだか生っぽくない、リアル感が薄いと感じていた原因の一つはここだったのではないかと思っています。

堀場さんの授業で読む前に必ず言われる「どんな番組か想像して」という言葉を、ようやく正しく汲み取れるようになった気がします。

気づいた瞬間は、自分の声に音楽がのり効果音が足された時です。
素直に足りない場所が分かりました。
音が入った事によってリアルに映像が浮かんで「きっと今映像が変わっただろうからもっとこう読むべきだった」とか、「今絶対にテロップが出ただろうから弱かったな」という事がとても鮮明に頭に浮かびました。
この時、いつもこうだったらあの「ここは上げて、ここはゆっくり〜」と凄く考えて作ると言う工程なんなんだ?映像がリアルに脳内で流れていたら、あんなに考える必要なくないか?と、映像とナレーションの順番が逆になっていた事と、ミラーリング不足に気付きました。 本当の意味で「リアルに想像する」という感覚を少しですが掴めた瞬間だったと思います。

その後の授業で出された課題は、映像化を意識しながら読んでみています。
それこそ、藤本さんの授業でのスポーツは他のジャンルよりも映像の動きが想像しやすく、頭に浮かんだその映像であれば大江戸さんはこう読むだろうとミラーリングを組み合わせて読んだ感じでした。 読みとしては足りない部分も多かったものの今までで1番想像した映像と自分が出した音がしっくりきた感覚がありました。

流した後マネージャーの皆さんにご意見を頂き、客観的に自分の声がどう聴こえるのか、どんな物足りなさを感じるのかを教えて頂いて、まだ方向性の決まっていない私には次のサンプル作成とこれから勉強すべき点が分かりやすく見えたと思います。

また、「マイクとの距離」についてお話ししてくださって読むのに必死で自分の声を聴けていない事、マイクを理解できていない事を教えて頂きました。 実際マイクと向かい合うという事が日常的にない自分には難しく、全く気づきもしない事で教えて頂けて良かったと思います。
普段ナレーションのマイクと対面する事が出来ない自分は、どの様に感覚を掴めればいいのかはまだ分かりません。
実際にマイクを通しヘッドホンで聴くという工程をもっと経験したいと思いました。

ボイスサンプルを制作して、だだあやふやにナレーションを練習すると言うところから、勉強すべき点や練習の目的が明確になり、今後の練習もしやすくなりそうです。 技術的に向上し、さらに自由に楽しんでナレーションができるよう励みます。