そなコピ〜そもそも何故バーズでコピーが推奨されているかが、他人の失敗を笑いながらわかる話〜

「四本木はそうは読まないと思うよ」と山上さん。
「…四本木、ではないなぁ…」と狩野さん。
自分ではできていると思っていても、「耳」を持つ人には違いが気になってしまうらしい。
わからないのは自分から切り離せてないからだと山上さんは言う。
その意味が、最近やっとわかった。
これは、なまけものの私が「コピーチェックセミナー」に尻を叩かれて、ようやく「耳」を持つことが出来た物語である。
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7月某日。ネクストの山上さんのレッスン、テーマはコピー。
その直前に、奇しくもやはり山上さんのコピーオプション。今思うと「耳」を持つために重要なのはオプションの方だったが、レッスンで山上さんに冒頭のコメントをいただかなければ奮起はしなかったから、やはりワンセットなのだろう。
違うと言われるのはつらい。つらいのは「自分は出来てると思っているのに」否定されるから、「まるで自分が否定されている」気がしてしまうのだ。
しかも、その公式は「耳」を持たないと解らない。言葉面では理解できても、実感は持てなかった。
実際、当時の録音を聞きなおしてみたが、山上さんの口調も選んだ言葉も穏やかなものだった。
しかし当時の私は、止められてやり直すのが怖かったし、ちゃんと凹んだのだった。
だから「聴いた」。
コピーオプションで山上さんが用意して下さった大江戸さん、四本木さん、藤本さん、逸見さんの読みの「逆再生」版と「超スロー」版のパート(今回のコピーチェックセミナー山上回で言う第1部後半)だけ、山上さんの解説も入った言わば講義の録音を移動中ひたすら聴いていた。
テープだったら擦り切れるくらい聴いたのに、9月の狩野さんのレッスンで前述のコメントをいただいてしまったのには理由がある。私自身は、実際にコピーしたらどこまで寄せられているのかというチェックを行っていなかったからだ。今自分で書いていて「馬鹿か」と思ったし、これを読んでいるみなさんもそう思っただろうけど、これが凡人である。
そんなこんなで、私のネクストの終わり方は散々だったけれども、ひたすら「聴いた」のは無駄にはならなかった。
秋からアドバンスへ移り、プレイをしない日々。これではいけないとコピーチェックセミナーを受講することにした。真にやる気がある人ならセミナーの存在の有無にかかわらず自主練をするのに、駄目人間フィールド全開である。私の駄目っぷりは置いておくとして、セミナー受講の動機には少なからず危機感があった。
話を少し戻そう。9月の狩野さんのコメントには続きがあった。
「アナウンサーが、頑張ってバラエティ読んでる感じ」
TVなら画面がモノクロームになって、もう1回コメントがリピートされるくらいの衝撃である。
ただ冷静に考えれば、現状を分かりやすい例えで教えていただいたわけで、富良野は寒いわけで。
このままじゃ蛮神戦開放されないから、戦闘職のどれかをLV50まで上げないといけないわけで。
今の自分では素もコピーも駄目だから、変わらなくちゃいけないわけで。
でも変わるったって何から手をつけていいのか分からないわけで。
そんな、タイムリーツーベースみたいなコピーチェックセミナー開催だったのである。
ただ、セミナーとは言えチェックしていただくには相当完成度を上げて臨まないと意味がないし、講師に失礼ではないかというような気までしてくる。
背水の陣で1本目に選んだのは四本木さん。もはやリベンジだった。
実は5月のボイスサンプルでも撃沈しており、片想い涙色もいいところである。
しかし原稿起こしをして、いざチェックを始めると。
2、3回巻き戻して観ただけでは今までのコピーと浅さは変わらなかったが、何回も何回も繰り返すことで「あれ?ここ何かやってる」。
実際に読んだものを録音し、1文づつ聴き比べるごとに「あれ?ここ私のじゃ足りない」と、少しづつ書き込むチェックが増えていった。
結果、初めて四本木さんにオーケーをもらった。
いや、そう書くとまるで私が交際を申し込んだみたいになるが、初めて四本木さんのコピーを認めてもらえたということだ。
違いに気づく「耳」を持てた、思い当たる節はひとつしかなかった。
ひたすら聴きまくった、7月の「逆再生」と「超スロー」の講義だ。
売れっ子ナレーターが、1文の中にどれだけ多彩なコマンドを入力しているかが身に染みたし、恐らく文意や文字の持つ意味から読みを切り離すこと、即ち「聞こえたままを受け入れる」ことへの違和感が減ったのだと思う。
聞こえたままを受け入れる脳のあり方、それが「耳」だったのだ。
違いが分かれば、あとは同じになるまで繰り返す。
録音した自分の読みを、半ば機械的に手本と比較する「切り離し」は、「耳」を持ったらいつの間にか出来ていた。
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ひとつ進んだが、逆により遠くまで見通せるようになり、途はいまだ半ばの半ばだ。
「耳」を得たおかげで自分に足りない物が見え、ショートタームの目標となる「課題」を見つける力は手に入れたが、生理がまだだ。
遊びで付き合っている彼女に言われたらドキッとする内容だが、それとは違う、くらいの説明しかできないくらい売れているナレーターの方々の生理について理解できていないし、コピーを通してもまだ盗めてはいない。
ただ、もがく方法は分かった。それが今のところの、私の物語だ。
「耳」が欲しいという方は、過去のバーズブログの内容を参考にアプリやらソフトで真似してみるものありだろうし、希望者を募ってコピーオプションを申し込んだって、次回のコピーチェックセミナーを待つでもいいだろう。
望みの数だけ手段は存在するし、バーズならその門戸は開かれている。
後は行動に移すだけなのだ。
※文中動揺のあまり、一部の方にしか解らない例えを用いたことを、ここにお詫びいたします。
※文中、四本木さんのお名前を必要以上に繰り返したこと他意はございません。
※コピーチェックセミナーは、私が影響を受けた「コピーオプション」の内容と、私が行わずに済ませて失敗した「コピーチェック」がワンセットになった、大変お得な内容です。

文責:村田陽子(春8期からバーズに通って、現在アドバンス受講中)
   Twitter:@narrate45

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