春4期卒業生のいそです。
「舞い上がり~ 揺れ落ちる 肩の向こうに あなた 山が燃える~」恐らくバーズ生なら誰もが知ってる、そう、「天城越え」の一節です。既に1週間ほど前になりますが、山上先生発声特化オプションで、初めてバーズ名物?「天城越え」レッスンを受講させて頂きました。
この歌詞を歌う時、皆さんはどのような情景を想像されるでしょうか?とりあえず皆順番に、うながされるままに歌うと、山上さんからどんどん厳しいツッコミが。
「舞い上がって揺れ落ちるって、どういう状況かわかってる?」
「なんで肩の向こうに山が燃えて見えるの?」
「その後、地を這うんだよ?」
この一節は、簡単に言ってしまうと、めくるめく道ならぬ恋に身を焦がし男性と抱き合っている女性が、男性の肩越しに天城の山が燃えて見えているわけですが、最初はその状況やなぜ山が燃えて見えるのか、その時の女性の気持ちが全く想像出来ていませんでした。
時には床に這いつくばりながら、全身で山上さんがそのシチュエーションを再現して下さり、だんだんとその情景や女性の気持ちが見えてきます。
激しい狂おしい愛に身をやつし、いけないとわかっていてものめり込み、この恋の為なら地獄に堕ちてもいいとさえ思っている女性が、その相手と抱き合っている時に発する「あなた」は、どんな声で、どんな表現になるのか…。
「そういう状況で、あなた~♪(オペラでソプラノ歌手が歌うようなあなた~♪を想像してみて下さい)って言われたら、男はドン引きだよね?」
うぅ、そりゃそうですね…。物凄く場違いですね。100年の恋も冷めますよね…。
もちろん、全体の歌詞からこの歌がどんな歌かは何となくはわかっていました。 でもそれはあくまでも“何となくこんな感じ”といった程度でしかなく、ちゃんと歌詞の内容や状況を理解しようとしていなかったのです。
最初に歌った時は、ただ“何となく、それっぽく”歌っただけであって、そんな薄っぺらい表現では何も伝わらないし、感動させる事が出来ないのは当たり前ですよね…。
「どういう声を出すか、どういう表現をするかには、いつも必然がある。ナレーションも同じ」本当に山上先生のおっしゃる通りだなぁと思います。
私は原稿をみると、ついそのジャンルにとらわれて、バラエティだからこんな感じ、ドキュメンタリーだからこういう感じ、と勝手に自分の中で型みたいなものを作って読んでしまいがちでした。
でも、その映像で視聴者に何を伝えたいのか、なぜそういう原稿なのかをちゃんと考え、行間を読み取れば、おのずとどういう表現をするべきなのかがわかる。その事を、山上先生は「天城越え」を通じて教えて下さっていたんですね。
私自身は、「レッスンを受ければ何かが変わると思っている。そういう受け身の姿勢の人にレッスンしても仕方ない」と厳しいお言葉を頂いてしまいましたが、それでもこのレッスンでたくさんの気づきを頂く事が出来ました。山上先生の言葉を胸に刻んで、この気づきを無駄にしないようにします。
卒業の締めくくりに天城越えレッスンを受ける事が出来て良かったです。山上先生、ありがとうございました。そして今回、レッスン受講についてご配慮下さった学長、本当にありがとうございました!いそ