セミナー用に書き起こした原稿と向かい合うと、いつも愕然とした。
プロは凄い。
同じ文字列を私はただ読み上げ、プロは自由にプレイしている。
その溝の深さが厳然と否応無しに突き付けられ、コピーをすればするほど自分の無力さを痛感した。
コピーとは決して音を真似る事ではない。
音を真似る事に囚われると、生(き)の原稿から文脈を掴む事が出来なくなる恐れがある。
お手本を聴いていないとどうプレイしていいか分からなくなるのだ。
私は耳で聞いた音ならピアノで再現出来る。
しかし、真っさらな楽譜を初見で曲想を掴んで演奏するのは全くの不得手だ。
お手本を聴いていないからである。
セミナーの最初は、ナレーションでもそうなってしまうのではないかという恐怖感に付き纏われながらだった。
では、バーズで言うコピーとは何か。
私は、「なぜプロはその表現を選んだか」という答えを探る事で、番組の持つ仕組みを浮き彫りにする勉強法だと思う。
その為にキューシートを作ってみる必要があり、プロのプレイは「その場合に於ける表現の一つ」として自分の抽斗に蓄積し、ケースバイケースで取り出せる様にしておく必要がある。
これらを常に行えば、どんどん抽斗の数が増え、プレイの幅が広がって行く。
それがバーズで言うコピーだと思った。
「音が取れている」と先生方から言って頂けたものの、自分がやっているのは独りモノマネ大会じゃないかとビクビクしていた。
音を真似る事に力点を置き過ぎていないか怖かった。
その度にあおい先生が仰った「コピーは遊び」と言うキーワードに助けられた。
肩の力を抜いて、
「この表現ステキだなぁ」と素直に感じ、
「どうやってプレイしているんだろう」と興味を持ち、
「どうしてこう表現したんだろう?」と疑問を抱き、
「今度使ってみよう」と思う。
この繰り返しだ。
今回はコピーチェックなので、表現の意図を先生方から解説して頂けた。
私の次の課題は、それを自分で見抜くこと。
まずキューシート作りから始めようと思う。
「やるヤツはやるし、やらないヤツはやらない」のだ。
秋8B土山浦
カテゴリー: レッスンについて
コピーセミナーを終えて
コピーセミナーを受講した約1ヶ月。
これまで、こんなにも同じ原稿を読み返したことはなかった。
こんなにも、人のナレーションに耳を傾けたことはなかった。
こんなにも、自分の声を何度も聞き返したことも、なかった。
全5回のセミナーの初回を欠席してしまった私は、山上先生の座学からスタート。
そこで、既に他の受講生が書いている通りの衝撃を受ける。
コピーに対する姿勢が根本的に違っていたから。
「うん、なんとなく、それっぽいんじゃない?」
その程度の練習で臨んでしまった、大江戸先生の回では、用意した1分半の原稿の15秒ぶんしか読ませてもらえないという、散々な結果だった。
後から録音を聞き返してみると、こんな程度でコピーしてきましたと披露してしまったのか、それっぽくもなんともない、とおぞましいほどの出来・・・
この悲惨な経験から一音一音に向き合う練習を開始、とはいえ、そんなに簡単に習得できるはずもなく、続く藤本先生のレッスンでも、厳しい言葉をたっぷりいただく。
表現することはできなかったけれど、先生の指摘する箇所に印はついている、気づきはできているんだ、聞く耳は養えてるんだ、と自分を鼓舞することで精一杯。
再び、お手本を聞き、録音しては聞き返して、違いを確認する~の繰り返し。
スロー再生がすごく役立った。お手本はもちろん、自分のプレイもスローしてみた。自分のダメなところも浮き彫りになる。そうなのか・・・
気づきは出来るけど、やっぱり再現できない、才能ないのか・・・自問する日々。
そんな私の状況を知っているかのように、最終回のあおい先生は救いの言葉をかけてくださり、1ヶ月、同じ原稿に向き合ったことが、少しだけ形になったか、も、・・・(と今は思いたい。)
しかし、原稿初見のあおい先生は、私よりもずっと深い分析をされていて、気づきが出来てると思ってる自分もまた錯覚であったことを思い知らされる。生理も道理も、まだまだでした・・・
はぁ~、1分半に1ヶ月を費やした。
でもこれはアバンで、本編はあと28分くらいある。本編のドラマチックなストーリーを彩るナレーションは、さらに奥が深いのだ。
でも、あのきらめき、純粋さ、疾走感・・・・真似した~い。
今回、コピーセミナーを受講して、自分がいかに「なんとなく」読んでいたかを知り、またトッププレイヤーの表現にはすべて理由があることがわかった。
自分のプレイだけでなく、他の受講生の選んできた様々なナレーターの表現を聞き、またそのコピーや先生の分析を聞けたこともとても良い勉強だった。(物まねをしている人のマネをすると特徴をつかみやすいとうが、まさにそんな感じ)
また、他のナレーターさんをコピーした時、先生方にダメ出ししていただきたいなー。このセミナー、中毒性があります。
今度は、女性の先生の意見も聞いてみたいな。
最後に。
本人を目の前につたないコピーを何度も披露して、すみませんでした。
ずっとイヤホンで繰り返し声を聞いていたので、本人にお会いするとちょっとドキドキしてしまいます。
山上さんの「オリンピアン」をコピーした ベーシック沢井
コピーチェックセミナーに参加して
水曜ネクストの茂木宏子です。
バーズに入学して3ヶ月、自分がいかにテレビを見ていなかったか(テレビは点けていたけど)、いかにナレーションを聞いてなかったか(テロップ見てればわかるわ~と消音にしてたり)、ヒシヒシと感じていました。
コピーが勉強になる!と聞いていたので、アフターバーズで先輩に方法を教わってやってみました。…すぐ挫折しました(^^;; よくわかんなーい。
なので、申し込んだコピーチェックセミナー。コピーてなに⁈
まず、Tさんに狙いを定め。
ナレーションを原稿におこすと…。な、長い。1分間にこーんなに喋っているのか︎と、その量に驚愕。
ナレーションについていこうとするも、早い!速い!
そして。あえてそういうナレーションを選んだとはいえ、これでもか!と盛り込まれた手練手管の数々。
さながら、大竜巻に巻き込まれたかのように翻弄され。ぜぇぜぇ。
そして、座学。大竜巻の中に灯台が!
音を音としてシンプルにとらえること。
キューシートを作ってみて、番組の生理をみつけること。
作ってみました、キューシート。
作ってみると。Tさんは、映像にあまりとらわれず、原稿に忠実なんだな、てことが感じられました。
そして、音を音として聞こうとすると…。
ん⁈ 上がったり下がったり汚したり澄ましたり、変幻自在と感じていたものに、ある法則がある!
波打つうねりの中、たてたい単語をポーンと上げていると感じていたのですが。
_ _ ーー  ̄  ̄
わかりづらくてすみません。
たてたいところまで音をキープし、音を上げた後は、次に上がるまでその音をキープする、です。…階段状に上がってる!
最後は上げる必要がないのでストンと落ちる。
この階段ルールが聞こえたら、今まで不思議なほどだった、気持ちのすばやい切り替えや、汚した音の使用、ここを伝えたいんだな、etc…、なんとなく掴める気がしました。これが、ナレーターの生理を掴む、てこと⁈
大竜巻に巻き込まれあぅあぅ言ってたのに、青空が見えてきた!
ちょっとカンドー。
授業で聞いてたら、他のナレーターさんも使ってらっしゃったので、何をいまさら、てことかもしれません。でも、わたしのナレーション、ちょっと、ちょっとだけ、変わった、かも?
最後に、すごく親身に教えてくださった先生方、ありがとうございました。
コピー、あの方、この方、挑戦していきます。
コピーチェックセミナーを受けて(土曜ベーシック 鈴木)
今回コピーチェックセミナーを受けて分かった事は、いかにコピーが重要であるかということ。今まで、他のナレーターさんの真似をする事が自分の為になるなんて、考えたこともありませんでした。
映像を聞いて、止めて、コピーする。自分ではなんとなく出来ているつもりでも、やはり同じにはならない。でも、あおいさんは一回聞いただけでサラっとコピー出来てしまう。そのナレーターさんの読み方の特徴をすぐにつかんで、私たちに「こうやるんだよ」と提示してくれる。初回のレッスンでビックリした。私みたいな凡人との違いを見せつけられた気がした。
そして山上さんの座学を受けて、さらに衝撃を受けた。
【正解を右から左へうつすだけのコピーの意味は「課題を見つける」にある】
うまく、というか何となく似せれる様にコピーしようとしか考えていなかった自分に気づいた。
すぐにコピーが出来ない人はセンスが悪い、という事を受け入れた方が早いという。「出来る(つもり)」は停滞。「出来ないこと」は可能性。出来ない事(知識・センス)を確認することで課題を見つけることができ、壁に気づく事ができるとの事。(←山上さんより補足を頂きました。あるレベルまでのセンスは知識にすぎないので、「感性を否定された気分に囚われなくてもいい」とのこと)
すでに自信をなくしていた私だったが、前へ進めそうだと思った。
表現のプロセスは、入力(観る・聞く)→変換(考える)→出力(プレイする)
そして多くの場合は入力の段階で「吸収できているものが少ない」という。原因は先入観。コピーをやるうえでは先入観は邪魔者であるとのこと。先入観を抜いた「音」で捉え、比べ、ありのままに捉えるために、脳の右脳で読む事が大切なのだ。
「Rモード(右脳)を呼び覚ませ!」
一枚の紙に活字が書いてあり、それをもう一枚の紙に写すように言われる。恥ずかしながら、私も文章をただ書き写しただけだった。カツカツと音を鳴らしながらすぐに書き終わってしまった場面を思い出すと、今でも恥ずかしさがこみ上げる。
ただ書き写すのではなく、見えるものをありのままに書き写すことが重要なのだ。例えば「ー」これを「ただの棒」と捉えるか、「矢印」と捉えるか、「漢数字のいち」と捉えるか。
そのうちの一つでもないし、なにものでもない。ありのままの形・大きさ・色を捉えるのだ。「−」が何かを考えるということは、Lモード(左脳)が働いているということになってしまう。先入観を取っ払い、無心で書き写す。それによって、Rモードが優勢になる。これからも続けていきたいと思います。
そして、番組制作の道理と生理について。
道理と生理は共にしかない。制作側の意図を知ることにより、道理を知って生理が分かるとの事。30分番組のタイムや映像、ナレーションなどを台本に起こした山上さん特製のキューシート(?)を元に、説明・解説をしてもらいました。作成するのにとても時間がかかったとのこと・・・でも1日つぶして作成することで番組の道理・生理が分かるのなら是非やった方がいいとのアドバイス。
「やるやつはやるし、やらないやつはやらない」
その言葉に震え上がりました。まだ作成してはいませんが、近いうちに必ず作成したいと思います。
[facebookに載せたものとほぼ同じですが、投稿させて頂きました]
ゲスト講師、庄田真人さんのお話を伺いました!
現在、スクールバーズ・秋8期アドバンス受講中の初子です。
先週の水曜日、『和風総本家』プロデューサーのテレビ大阪 庄田真人さんがゲスト講師で来てくださいました。
私のように駆け出しのものにとって、実際に番組制作に携わっている方に直接お話を伺うのは本当に貴重です。
何が何でもこの回を受けたい、とずっと思っていました。
しかも、『和風総本家』は2014年度ATP賞 情報・バラエティ部門 最優秀賞を受賞しています。
私もツイッターは以前からフォローさせていただいてますが、実際にお会いするのは初めて。
一体どんな方なんだろうとワクワクしていました。
この日は卒業生もたくさん聴講に訪れ、庄田さんの言葉一つ一つを熱心に聴き、メモをとり、さながら「囲み取材」の様でした。
まず、番組とはどのように作られていくのか?と言うことについて。
『和風総本家』を例に。
ディレクターは演出、ロケ、編集を担い、
プロデューサーは予算などの管理部門を担います。
『和風総本家』では一人のディレクターが一本をじっくり担当しているのだそう。
だから細やかで丁寧な番組と印象を受けるんですね。
「ナレーター」の役割と起用する基準について。
『和風総本家』のナレーターはいわずと知れた「日本のお母さん」的声の麻生美代子さん。
そして、報道からバラエティまで活躍の場が幅広くスクールバーズ講師でもある、あおい洋一郎さん。
このお二人が何故、起用されたのか、それは、視聴者の年齢層のニーズに関係があるそうです。
『和風総本家』のターゲットは高めの年齢層。この層は、ゆっくりじっくりとした番組の流れを好み、
そのじっくりとした流れに「耐えられる表現力」を持ったのがこのお二人なのだそう。
普段からスクールバーズでも、ニーズは誰なのか?そこから、どんな雰囲気の番組なるのか考えるように言われています。
実際に聞いて、ああ、そうなのかと改めて納得しました。
番組においてナレーションで期待するところは?
声にBGMが加わったらどう相乗効果が現れるのか?その「化学反応」を期待するそうです。
読みにあったBGMで、BGMに乗った読みでのサンプルを作るとはこう言うことなのか…またまた納得でした。
最後に、ナレーターのキャスティング営業ってどう思われます?と言う質問について
営業が実るかどうか、これはタイミングとご縁。
飛び込み営業も、あえなかったり、そっけなくされたりは相手もよっぽどの事があって、タイミングが悪かったと言うこと。
自分もうまくいかなくてショボンてなるけど。
ただ、知らないよりは、知っている人の方がキャスティングで顔か浮かびやすいし、
サンプルはネットですぐ聴ける環境の方が良い。
などなど。
まだまだ、たくさんのお話を私たちに真摯に話して下さいました。
番組を通して、「日本て良いな」をまだまだ伝えたいそうです。時にはまじめに、時にはユーモアのある出演者のやり取り。
携わっている方たちの人柄が本当に表れている番組。
いつしか、自分もその一員に加わりたいと思う、
前に進むちからをいただいたと思います。
授業後も、私たち生徒と気さくに会話をしてくださった、庄田真人さん、
本当にありがとうございました。
感想のようなレポートのような、
長文大変失礼いたしました。
コピーセミナーで気づいたこと(土曜ベーシック 野口)
5回シリーズで受講している「コピーセミナー」。このセミナーを受けるまでは、恥ずかしながら、「コピー」なんて、すぐできるのでは?……なんて思っていました。そんな甘~い姿勢に渇を入れられた“気づき”があったので、レッスンの内容と私の心情を辿りながら、一部ご紹介させてください。
【できている“つもり”~先入観の弊害】
第2回の山上先生の座学。3枚の紙が配られました。台本がパソコン打ちされている1枚と、真っ新な紙が2枚。「一部を、白い紙に書き写して」と山上先生。
ハイハイ、わかりました。花の命ははかない。人の命もまたはかない……
1分程で書き写しは終了。誤字もないし、我ながらきれいな字だ…。
ところが…!
なぜか、ほかの人は、数分たっても必死で書き続けている。しかも「一文字だけ書けた人~?」という質問に、幾人かが手を挙げた。「なになに?字、書けないの…?!(そんな訳ない)」と私はギョッとする。
そこで、次。
「台本の紙を逆さにして、もう一枚の紙に書き写して!」と先生。逆さにすると………
ん?!なんか違う。例えば「人」という字。今まで人間(ヒト)という意味で捉えていたのに、逆さにすると、単なる二本の曲線に見えるではないか!
まず、2本の線(輪郭)を書いてみる。さらによく見ると、明朝体のその文字は、ハネやトメ、左右の太さのバランスなどが違う。しかも、書き進めれば進めるほど、細かな違いに気づかされる。
そうか…これは、ナレーションのコピーでも、同じか!!私は、最初の書き写しのように、我流の超アナウンス調で、しかも雰囲気だけ真似て、自信満々でいたのだ。でも、「求められているコピーはそうじゃない」。文字にハネやトメ、太さ、バランスなどがあるように、ナレーションにも、一言の中に高低、声色、母音の残し方、強弱など、幾つもの技があるのだ。
私は、急に自分が恥ずかしくなった。
でも実は、この“文字の書き写し”。そんな先入観や勘違いに気づくだけでなく、もっと実践的な効果もあるそうです。それは、Lモード(左脳)よりも、Rモード(右脳)が優勢になること。私達は、無意識に、言語(意味)による情報処理が得意なLモードで読んでしまう。でもRモードにするで、意味ではなく、感覚的に捉えられるとのこと。
山上先生曰く、コピーは「脳の右側で読め!」
私は、先生に騙されたと思って(!)、ひっそり実践。最初は、いつも通りコピーの読み練習をし、もうこれ以上、何も聞こえないと行き詰まったら、例の文字の書き写しを15分ほどします。そのお陰か?!今まで聞こえなかった音(例えば、単語の前のNの音や、最後の母音など)が、だいぶ聞こえるようになった気がします。たった1分のアバンでも、実は技の宝庫なんだと、今は感じています。
【番組作りの道理を知る】
もう一つ、山上先生のレッスンでは、番組を見ながら、主役をどう見せたいカットなのか、どんなストーリーで見せたい編集なのかなど、作り手の思いと、撮影、編集の技について、解説をしていただきました。驚いたのは、小さな文字でビッチリ、6ページにも及ぶ台本おこし。
私は以前、番組制作の仕事をしていましたが、30分の番組の起こしは、気が遠くなる思いです。本気で取り組むってこういうことだと、またも気づかされた気がしました。
私は、30分番組の起こしにはまだ挑戦していませんが、コピーをする部分だけは、毎回、台本にしています。ナレーションを書き起こす、次に映像を書き起こす。どのカットで何を読んでいるのか、それぞれをリンクさせる。接写だけが続く単調な絵の時は、どう読んでいるのか?出演者の表情は、どんなトーンなのか?だから、こう読んでいるのか…。
映像を知ることで、表現の意味も深まる上、たとえ練習の一本であっても、台本にすることで作り手側の意識になれる、これが大事なのかなと思います。
コピーセミナーも残り2回。“気づいた”だけでは意味がないので、いかにコピーの実践に活かせるか…練習あるのみです!!
土曜ベーシック 野口
「そんなに重要だったとは」 コピーセミナーでの実感
声優を辞めスクールバーズに入って1年数か月。よく講師陣から聞かれた「売れっ子の完全コピー」。それを実践することによって見えるものがあるという。そしてそれは最強の練習だという。
(*・ω・)「そうなんだ!」と思い、何が何だか分からないけど家でやってみる。
確かに番組から原稿を書き起こしてみるのは新鮮だし、真剣に番組に向き合っている感があって「勉強してる」気になる。
しかし続かない。いや練習としては続けているのだが「何かが」続かない。実らない。
「何が何だか分からない」状態で続ける練習は質が悪い。そのうち時間だけを浪費している自分に気付くのだが
「ではどうすれば良いか」なんて見当も付かない。才能がある人間は自分で気付く。凡人の僕は気付けない。
実際コピーセミナーの謳い文句にもこうある。(コピーするにしてもどこに目をつければいいか、どの程度まで深めるべきかがわからず、「つもり」で終わってしまうことも多く、回り道になってしまいがち)
まさに上記の状態が自分である。回り道どころか一歩も歩けない。動けない実感が「自分はこの世界には向いていない」意識を煽りやがて意気消沈し死んだ魚の目になった。
藁にもすがる気持ちで「コピーセミナー」を受講した。
幸い一回目の授業ですぐに気付けた事があった。「プロはコピーを真剣にやってるんだ」という当たり前の事実。あおいさんの真剣さがその当たり前の事実を伝えてくれる。
あまりにもお粗末ではないか。(プロナレーターが売れたあとも続けている最強の練習) と聞いていたのに何処か信じ切れていない自分が居た事を知る。普段から「いろんな事が信じ切れない自分」が居た事も知った。口先だけで「なるほどなるほど」と言ってた自分が恥ずかしい。
翌週の山上さんの座学には複数回の落雷を受ける。「コピーの仕方を手とり足とり教えるものではない」と断りを入れながらも結構手とり足とり教えてくれたし、それによって得られるものは何かなどの問いやヒントなども詰め込んでくる。今後どうなりたい?どの山登るつもりなの?考えさせる種を皆に植え付けようとしている。「今現在自分が持っている知識を出来るだけ分かりやすく伝えたい」という意気込みに溢れていた。
「入力→変換→出力において、あなたが見ているものは本質か」
「入力段階で吸収できる量が違うのは何故か」
「先入観がよく見る事を妨げ先々へと進もうと焦り見落とす」
初歩の初歩からの説明~番組制作に携わる人々の考え、道理と生理の話までギッチリ詰め込んだ座学だった。
普通のスクールは一度作ったテンプレートを何年も使い回して教えるがバーズは刻々と変化する時代に合わせて毎度毎度進化させていく。業界がそっくり引っくり返る事は考えにくいが、もしそうなった時も一から作り直す覚悟が感じられる。山上さんは生徒のリアクションが少ないと感じられたようたが落雷の衝撃が大きかっただけだと思う。
山上さんの座学が終わりそのまま大江戸さんの授業に入る。座学によって練習してきたことのおよそ大半が間違えている事を教えられた自分。その精神状態であやふやなプレイをしてしまう。
大江戸さんはいつもの優しい口調でダメ出しをしてくれるのだが右眼球の水晶体の奥の網膜に「コピーなめんな」左眼球の水晶体の奥の網膜に「てめぇ殺すぞ」と赤い文字が書かれているのが読めた。
そう。プロになってもコピーを真剣にやってるのである。
コピーセミナー受講中 名無しの権兵衛