【ナレーション表現】私にしかできないもの
投稿者:とうこ2015/07/02(Thu) 15:36色々できればいいってものではない
先日は私の投稿に大変詳しく、丁寧なお返事を頂きありがとうございました。時間も経ってしまい、皆様それぞれにとなりますとご迷惑かとも存じますのでまとめてのお礼で失礼いたします。また、心温まるお言葉、ほんとうにありがとうございました。現在、秋の入所をめざして準備中です。
さて、今回なのですが、また私がよく言われることにつきましてご相談させていただきたく存じます。
タイトルの「色々できればいいってものではない」です。良くあるパターンかとも思いますが、私は声優系出身ということもあるのか、芝居気はある方だと思います。また、声の高低なども割とある方と思います。
なので、良い言い方をすれば幅のある思い切った表現はできるようです。しかし、本人はよっぽど特別でもない(老けとかキャラとか)でないかぎりそこまで声を変えてるつもりはないのです。自分のイメージに合うように無意識なのかもしれませんがそこが作為的に感じたり、「自分自身」の声にならないととらえられるのではないかと思いました。ちなみに、自分で聞くと、まぁちょっと違う雰囲気もあるけど私の声だな、とも思ってしまいます。
「わたし」にしかできないものをとのアドバイスをよくいただきます。「わたし」ってなんでしょう、なんて聞いても誰にもわからないと思いますが、自分の中ではすべて「わたし」のつもりです。明るい「わたし」暗い「わたし」そういったのが全て他人のように聞こえてしまうらしく、逆に個性がなくなってしまうのではないかと考えました。
「素直な読みでいいね」「君らしいね」そんな言葉を聞くと悔しくてたまりません。
仮に、私の中の何かが評価されたとき、それが「わたし」になるのではと思いますが、多いのは一言でいうと達者だねハイハイ位なノリなようです。こんな人は一杯いるよ、もっと自分らしさを!!と・・・どうしたらこの殻がやぶれるのでしょうか。性格もテンションが高めなせいか、あえて控えめにしたり、おとなしめ落ち着いての読みばかりをすると守りに入っているように思われたり、体調悪いの?なんていわれます。
あくまでも私が未熟なのが問題だとは思うのですが、色々詰め込んだサンプルが必ずしも良いわけではない、本人らしさや方向性が見えるものが欲しいとするとひたすら何かしら一方向をとりあえず決めて、それを洗練させていくというのがいいのでしょうか。また私も欲張りなので、いろいろやりた~い!!!なんて、思ってもしまうのですが・・・。
長々と申し訳ございません。とりあえず毎回バーズさんでは金銭的に無理な面があるのですが自分で原稿を作り、少なくとも月に一回はサンプルを録っていろんな方に聞いてもらったり自分で考えたりというのをいまはしています。なんとか上手く、いえ、他者に響くナレーションがしたいのです。才能がないのかもしれませんが欲望が止まりません。こんな私になにかアドバイスを頂けると幸いです。何卒宜しくお願い致します。
Re: 色々できればいいってものではない
とうこさん、お久しぶりです^^
「いろいろできれば良いってものではない」っていうのは、まさにその通りだと思います。
「自分らしさ」って自分ではよく分からないですよね(^^;)私もよく分かりません。
とうこさんの書き込みからも、その葛藤がよく伝わってきます。そこで、今は一歩目線を引いて、俯瞰で見てみたらいかがでしょうか?
>こんな人は一杯いるよ、もっと自分らしさを!!と・・・
>どうしたらこの殻がやぶれるのでしょうか。
とうこさんの強みは何でしょうか?テンションが高いことでしょうか。では、どのくらいテンションが高いですか?。私のまわりにもテンションの高い方はたくさんいます。(気のせいか、関西の方はテンション高い方が多いような…(笑))その方たちと比べて、ダントツにとうこさんしか出来ないテンションの高さというのは、ありますでしょうか?それがあれば武器になると思いますし、ダントツでないなら、もしテンションの高い人をキャスティングする場合、とうこさんはその中に埋もれてしまう可能性が高いです。
キャラの演じ分けは、どのくらい出来るでしょうか。ナレーターも声優出身の方が多いので、たくさん演じ分けられる人はたくさんいます。その人たちよりも圧倒的に秀でている何かを持っているでしょうか。それが出来れば、とうこさんがキャスティングされる可能性は充分にあります。
仕事では、他の人のできないことができれば、チャンスが生まれます。他の人のできないようなことをするためには、自分の強みを活かすしかありません。そう、そこで最初の疑問に戻るわけですが・・・。
仕事の観点から考えると、「自分らしさ」や「自分の強み」は、他のプレイヤーとの差別化をはかるためのものです。自分を俯瞰して見てみると、他のプレイヤーと自分との関係性が見えてくると思います。
例えば「1万人のホールで客席の一番後ろまで届くような声が出せる」というのは、一般的に考えればすごいことです。それが個性であり強みにもなるでしょう。しかし、もしその人が音大に入学したらどうでしょう?他の人も同じように声が出せるので、強みでも個性でもありません。まわりに出来る人がたくさんいるので、それは当たり前のことなのです。
しかし、もし自分の強みにこだわっていたら・・・。自分の強みは「1万人のホールで声を届けられることだ」と思い込んでいたらどうなるでしょう?それ以上先に進むことは難しいですよね。それこそ「そんなの誰でもできるよ」となってしまいます。
「個性を出す」とか「私の表現をする」「自分の特徴を出す」というのは、人と比べてどんな違いを出せるのか。テンションが高いとか、複数キャラを演じるのは、他のプレイヤーと比べてどの程度できるのか。そんな視点で考えてみてはいかがでしょうか。
直接的な答えではありませんが、この視点の切り替えがある/なしで考え方は相当変わるはずです。1人で練習しているとどうしても視野が狭くなり、まわりが見えなくなってしまいます。そうなると、他者と比べることが難しくなります。なるべく多くのプレイヤーを見たり、テレビを見て研究するなど、他のプレイヤーと自分とを比較してみてください。きっと、新しい何かが掴めるはずです。それが結果として「個性」や「強み」になるのです。
最後に1つだけアドバイスを。どうやったら殻を破れるか?ですが。。。
人と比べて違いを出すためには勇気が必要です。他の人がやっていないことをやるからです。この橋を渡ったら落ちるかもしれない…そんな状況でも最初に渡るくらいの心構えが必要です。幸い、ナレーターなのでケガをする心配はありませんが、自分で思ってる以上に心理的には難しいものです。少なくとも私は最初に渡りたくありません(笑)
たぶん何回も落ちることでしょう。しかし、それでも諦めずに行動すれば、いつかきっと渡れるときが来るはずです。それまで勇気をもって挑んでください。その先にきっと新しい未来が待っています。
Re^2: 色々できればいいってものではない
松田さま、お忙しい中ご丁寧にありがとうございました。
強みなのかはわかりませんが、よく他の方に言われるのが「夜っぽい」「セクシー系」は普段から出ているそうです。なので、誠実感や寄り添い感はあまりないのでは…とおもいます。アダルティな感じや老け役が得意で、可愛いのもできなくはないですよっていう感じなのかな?と考えました。
「そもそも日常生活から演じている」そんなことを言われたこともあります。TVや色々他の方でいいな、というのを見ていると誠実感があったりナチュラルな感じ、あざとさがない感じの方ばかりです。自分なりに真似をしたり考えてはいるのですが生まれ持ったナチュラル感はどうしてもでてこない=時代にそぐわないのではないかと悩んでおりました。
ただ一つ、当たって砕けろ的な勇気は自信があるぞと思っています。押しが強いとも言い換えられますが、思いついたことは何でもチャレンジしてみるが信条なのでバランスをとりつつ、今後も挑んでいきたいと思います。ありがとうございました!!!