【ナレーション表現】声(表現)の引き出し
投稿者:白うさぎプロになりたい
はじめまして。初めての書き込みに少々緊張気味です。私は現在、プロのナレーターを目指し週に1度スクールに通って勉強しています。
厳しい道だと分かっていながらも、自分の声をたくさんの人達に聞いてもらいたい!人に感動を与えたり、私の話す声を”いいな”と感じてもらえるナレーターになりたい!と強く思っています。
「話す」「話しかける」という事が、こんなにも難しいなんて…。何度も壁にぶち当たり、へこんではまた這い上がる。その繰り返しです。いま、私の目の前にある壁の話を聞いて下さい。
私の声は、(半年以上前からの発声練習のおかげか)響きがあってとても聞きやすいと先生に言われます。そう言われる時は、声をハッて明るい調子で読んでる時です。しかし、最近文章の終わりに余韻を残せるといいねと言われ、自分なりに考えて、落ち着いた感じに読む様にしたのです。でも、そうすると声を抑えた感じになってしまい、明瞭度がなくなると言われてしまいます。
私自身も自分の声は、明るく張って出したほうが好きなのですが、「ナレーターは声の引き出しを幾つも持っていなければならない」と言われてる様に、私もいろいろなトーンの声をキレイに出せるようになりたいのです。声は個性ですから、人によって引き出しの数は違うと思いますが…。まず、一つの引き出しを二つに増やす手立てを教えて頂けませんか?
あと一つお伺いしたい事が。過去ログで大魔王様が、男のナレーターは30歳を超えてからが勝負とおっしゃっていましたが、女性はいかがでしょう?私は、28歳の♀です。長くなりまして申し訳ないです。
Re: 30を越えての女性の声
白うさぎさん、ナレーションの虎へようこそ。
女性の声も男性と同様、年齢とともに低くなる傾向にあります。女性は個人差が大きく、声に対するケアもなく高い声をキープしている方もあれば、訓練しても透明感のある高い声が出にくくなる方とさまざまです。低い声の方は磨きがかかるといいたいところですが、これも一概には言えません。
ナレーションは、オペラのような音声表現と違い声の質よりも、その表現力を重視する傾向にあります。年齢を重ねることによって、声の表情がより豊かになれば良いのではないかと思います。
引き出しについてですが、これは虎たちも苦労しているところでしょうから、もうすこし気長に返答をお待ち下さい(^_^;)
Re: ありがとうございます
大窓王さま、こんばんは。
>ナレーションは、オペラのような音声表現とちがい声の質よりも、その表現力を重視する傾向にあります。
>年齢を重ねることによって、声の表情がより豊かになれば良いのではないかと思います。
声の質にこだわりすぎて、一番大切なことを忘れていました。ナレーターにとって表現力が重要だということ。声の表情とは、まさにその人自身を表すことですよね。
女にとって、年をとるということはあまり喜ばしくないのですが、人生経験を積みながら魅力的な女性をめざしていこうと思います。
今後、自分の声がどのように変化していくのか(それとも変わらないのか)不安半分、楽しみ半分ですが、いつまでも自分の声を好きでいれたらいいなと思います。
引き出しを増やす
こんにちは、白うさぎさん。ナレ虎へようこそ。えー、ちょっと長くなりますが、私なりに「引き出し」について書きますね。
「ナレーターは声の引き出しを幾つも持っていなければならない」
ここでは「声の種類」ということでしょうか。高い声、低い声、細い声、太い声、しわがれた声、息の混じった声、腹から出る芯のある声、まあいろいろありますが、こういったいわゆる「声の種類」を増やしたいのであれば、普段からそういう声を使ってナレーションをする練習をすることでしょう。「ボイストレーニング」というやつです。これももちろん大事です。
しかし、まあちょっと考えてみて下さい。あなたがご存知のナレーターでそんなにたくさんの声の引き出しを使って仕事をされている方がどれ位いらっしゃるでしょうか?
おそらく多くの方はその方ならではの「得意技(うーん、必殺技かな?)」一本で勝負しているはずです。(もちろん、多くの引き出しを自在に駆使する方もいらっしゃいますが)
しかし、多くのナレーターはそんなワンパターンのナレーションをしているのかというと、そうではありません。他の武器を使っているのです。それは「表現力」と呼ばれるもので、それがナレーターの「引き出し」の正体であり、文章に込められている人の感情を「スピード」「テンポ」「間」「抑揚」など様々な技を使い、自分の声に乗せて外部へ表す力です。(あえてワンパターンを求める現場もありますが、それは多くの場合「様式美」というカテゴリーに入るもので、それは「芸」の域にまで高められたものです。)
ナレーターとして「引き出し」を増やしたいと思っているのであれば、声の種類を増やすのではなく、自分の一番「いい声」でいろいろな感情を表現できる、という状態を目指す方が結局は早道だと私は思います。これがナレーターの根幹。
そこへ行けて初めて、声を変えたり、独自のいろいろなアイデアを表現として形にする準備ができるのだと思います。
エイトビートをちゃんと叩けないドラマーはどんなにカッコいいフレーズを叩けても、使い物になりません。それと同じです。
まず自分の自信のある声で、毎日毎日いろいろな文章を読みまくる!つまらない基本を繰り返し繰り返しやる事以外に技術を身につける近道は無し。これが私の結論です。
引き出しに見せかけてみるってのはどないだ?
ちょっと裏技かも知れんから多用は禁物でっせ。相手見て喧嘩売らんな大怪我しまっさかいな。
『ドラえもん』知ってまっか?あれの「スモールライト」と「ガリバートンネル」て、ネタかぶってまっしゃろ?「通り抜けフープ」と「どこでもドア」も然りでんがな。
でもネタとして成立してもうとる。なんでやろ?…これはわしが思うに構成、つまり見せ方やないかな。
原因が同じでも、ストーリー原因や過程がちゃうと、それはそれで違うテイストになってたりするもんなんやないやろか。
芝居芝居する必要はないけども、ほんの少しシチュエーションを明確にすれば、憂いとるから抑えた…薄情やから抑えた…あくまで第三者的視点やから抑えた…
それぞれの過程を経た結果としての「それぞれの抑えたトーン」であれば、間や強弱が同じでも、まったく別モンになってるかも知れまへんで。
蛇足やけど、これの罠は自己満足だっせ。なんぼ自分の中で違う設定してても相手に「変わってへんがな」言われたらほんで終いでっさかいな(自戒を込めて言うてみた)
Re:プロになりたい
白うさぎさん、ナレ虎へようこそ。引き出しを増やしたいとのことですが、「声」そのものの種類を増やしたいというのであれば、少しお話しできるかもしれません。
人間は普段一色の声だけで生活している訳ではありません。あらゆる場面で、そのときの感情や肉体的な条件が作用して色々な声を出しています。(本人が意識しているいないに関わらず)ですから、自分の声にものすっごーく注意深くなってみてはいかがですか?
「あれっ、今ちょっとおもしろい声が出たな」って思ったら、それが仕事に使えるか使えないかは別にして、とりあえず、そのときの感情を再生して身体も同じような条件にして、その声を出してみましょう。
楽器としての身体を少しずつチューニングしていくように、何度も繰り返してみます。こつがつかめたら、いつでも自分の出したいときに、出したい分だけ出せるように練習有るのみです。
ただこれは、ナニワ声優道さんもおっしゃるように多用は避けた方がよいでしょう。色々な声が出るということは、即ち、色々な感情にナレーションをのせているということなのです。
形から入っても、気持ちから入ってもよいのでしょうが、どちらか一方だけでは、よほどレベルが高くなければ成立しないでしょう。両方がほどよき所でミックスされているのが理想に思えます。
白うさぎさんの幸運を祈ります。
587. 感謝します。
こんばんは。白うさぎです。一週間ぶりにナレーションの虎へ訪れてビックリしました。まさか、こんなにたくさんの方からアドバイスを頂けるなんて!お礼が遅くなりまして申し訳ございません。「白うさぎ感激です!ありがとうございます。」皆様から頂いたアドバイスは、プリントアウトして何度も読み返しました。
まずは、表現力を高めていくために、自分の好きな声優さんのしゃべり方なども研究してみようと思います。セリフとナレーションは違いますが、感情表現のテクニックを少しでも学べたらと思うので。
そして、ユッキーさんがおっしゃる様に自分の声にものすっごーっく注意深くなってみることにします。トレーニング中の自分の声には聞き耳たててるのですが、普段のおしゃべりの声はあまり気にしたことがありません。
プロを目指す者として、自分の声にはいつも敏感でなければいけませんね。(当然のことなのに・・・、また反省です。)
夢を持ちながらも、悩みごとがつきなかったり行き先に不安を抱いてしまうことがある時、ナレーションの虎のように、思いを聞いてもらえて暖かいアドバイスを頂ける場があると、本当に励みになります。
ベルベットオフィス、そしてベルベットの虎様方に感謝します。