【ナレーション表現】ナレーションに必要なリズム感
投稿者:ちりこんナレーションに必要なリズム感
いつも勉強させていただいております。お聞きしたいことがありはじめて書き込ませていただきます。
自分のナレーションを録って聴いてみて、前からテンポの悪さが気になっています。巻きで読むにしても、ゆったり読むにしても、聴き直すともったりとしていて微妙に気持ち悪いのです。
先日、「リズム感がよくないからでは?」と指摘を受けました。確かに昔、楽器やダンスもしましたが苦労しました。ナレーションも、間の取り方や文中のピッチの調整がうまくない気がします。
しかし、ひとりでメトロノームにあわせて手を叩くなどの練習だと、やっている時は勝手に出来ている気がしてしまうので録音などして自分で確認しながら出来る練習法があれば…と思うのですが。
ナレーションに必要なリズム感を養うには、どういった練習をするとよいでしょうか?
Re: ナレーションに必要なリズム感
はじめまして。松田佑貴です。テンポは難しいですよね~。ちりこんさんの書き込みを読む限り、喋りがゆっくりすぎるのが原因だと思いますので、練習法としては、テンポの良いバラエティなどの読みをシャドーイングする(TVを録画して、原稿に書き起こし、ナレーターと一緒の速度で読んでみる)のが良いと思います。バラエティでも、テンポの良いもののほうが良いですね。
ちりこんさん、ドキュメンタリーとか好きではないですか?読みには自分の好みがけっこう出てくるものなので・・。
それから、メトロノームでの練習はやめた方が良いと思います。メトロノームは、早口を直すのには効果的ですが、喋りがゆっくりの方が早く喋るためには向かない練習方法です。ナチュラルな喋りのスピード(例えば♪=400)でメトロノームのリズムを聞き分ける事は非常に困難だからです。
あとは、丁寧に読みすぎないことですね。例えば、「聞いてる人にわかりやすく伝える」「意味をしっかり正確に伝える」など、エンターテインメント性よりもアナウンサーがニュースを読むような、情報を伝える意識が強いと、ゆっくりな読みになりがちです。今は情報を伝える事よりも、読みのリズムを大事にしてください。
なお、技術的に言うと、ゆっくり聞こえる原因は大きく2つあります。
1つは、1文字1文字をゆっくり読みすぎた場合。例えば、メトロノームで♪=150くらいで読んでみて下さい。どんな読みになるでしょうか?おそらく、母音が伸びてしまうと思います。
日本語は、「あ」行と「ん」以外は、必ず子音+母音で喋ります。例えば、「こ」という文字を喋るとなると、「k」+「お」という子音+母音を組み合わせて発音します。
子音と母音を適切な長さで発音できれば、キレイに「こ」と聞こえるのですが、母音が長いと「こぉ」と聞こえます。つまり、ゆっくり読むと、母音が伸びてしまい、間延びしたように聞こえてしまうのです。ただし、あきらかに「こぉ」となっていれば聞いてすぐに分かると思いますが、ビミョーな伸びの場合は判断しにくいかもしれません。
もう1つの原因は、間が多すぎる事です。自分で意識しなくても、かなり間をとって読んでいる事があります。
まずは、一行まるまる間をとらずに読んでみる事をオススメします。一行の文頭から文末の句点(マル)以外は、まったく間をとらずに読みます。意外と、間がなくても読みは伝わるものですよ。間をとらなくても自由に読めるようになったら、そこから間を追加していけば良いと思います。
重要なのは、今の読みから「間を減らしていく」のではなく、全く間がない状態から「間を追加」していくことです。減らしていこうとすると、どうしても伝わらない気がして、なかなか減らせないものです。家の掃除と同じですね(笑)
捨てようと思っても捨てられないから、何もない状態から、必要なものだけを追加していくんです。どうしてもシャドーイングでうまくいかなければ、技術面でも検証してみてください。早く解決すると良いですね!
松田 佑貴
リズムは「表現」するもの
ちりこんさんはじめまして。ナレ虎への書き込みありがとうございます。
僕はラップでナレーションしたり、スタジオバーズで音響を担当させてもらっています。そこではよく「山ちゃんはリズム感いいよね」などと言っていただけたりしています。
…が!実は僕、音楽理論的にはかなりリズム感悪いのです。メトロノームと一緒にギターを弾くなんてもっての他です(だってほらメトロノームは速くなったり遅くなったりするじゃないですか・爆)
先日はさらに不協和音で歌っていることが判明。ドレミファの区別はもちろん、今だ譜面ひとつ読めないのであります。
うーんむ音楽的にはまったく救うところがない(がびーん)ここまで言って、自分で自分にとどめをさしたことに気づいた。無念。
さて。でもなぜか良い評価をもらえてきたのです。なので今でも、堂々とリズム感をくずしながら、不協和音で気持よく歌ってます^^;
そういえば、僕が趣味できいているミュージシャンだって、ソロ演奏は多くリズムが狂いまくってたりします(盛り上がる箇所は盛り上がるので結果リズムが狂うのですね。まったくスジの通った話です^^;)
そしてここからが大事なのですが、リズムが狂ってても、その人の奏でるリズムは何度きいてもかっこよく、体まで動いてしまったりします。
そこで思うのですよ。いわゆる「リズム感」って言葉はですね、ほとんどの人は”きちんと拍子をきざんでるか”という意味では使ってないんじゃないか、と。
リズム感悪いんじゃない?って時は「だからメトローム使ってみなさい」ではなくて「自分のものにしてる?」って聴いてるのかもしれません。
で、練習方法は?ときかれれば、もっとリズムの中で自由に振る舞うことを目的としたいところです。「拍と拍の中にどれくらいの余地があるか知る」ってことでしょうか。
僕がみてて「リズムを自分のものにしてない人」って、なんでか音を”下でしかとってない”んですね。いわゆる「たん、たん、たん」ですね。
これを”上でとる”に変えてみましょう、つまり「ウンたん、ウンたん、ウンたん」です。これで「ウン」が増えたぶんだけ、「遊べるとこ」が増えます。
遊べるところが増えたらそこに「止め・撥ね・払い・伸ばし・休み・しゃくり・ぶっ込み・叫び・マイケル(マイケル?)」などのメリハリを突っ込んでいきます。
この時なるべくメリハリの引き出しがたくさん欲しいところです。ですから【コピー】をしておくことは必須です。
リズムとは「表現」。
表現とは「遊び(余裕?)」。
ゆえに楽しまねばなりません。
楽しむには自信がないと難しい。ルールに振り回されるのは楽しくない!譜面とメトロノームがあなたを助けるものでなく縛りつけるものであるなら、まずは窓から放り投げるくらいの気持で、もう気にしないことです。
そして大音量で音楽をかけてこう叫ぶのです。「ゲロッパ!」と。
Re: リズムは「表現」するもの
謎の配達人様、ご回答ありがとうございました!
確かにリズムを自分のものに出来てないと思います。なんだか踊らされてるような感覚です。余裕がないので、もちろん自由さを感じて読むことも出来ません。あと、「これが自分のリズムだぜ!」と思える自信もなかったかもしれません。
リズムの感覚や表現の引き出しを増やすためにも、コピーが必要なんですね。原稿の中で遊ぶ余裕が出来る様、とにかく練習を頑張ってみようと思います。
ちょうど年も明けましたので、今日からきっちり実行に移します!本当に、ありがとうございました!
Re^2: ナレーションに必要なリズム感
松田様、ご回答ありがとうございました!
勉強のため、と思いバラエティもドキュメンタリーも観ますがシャドーイングにはドキュメンタリーを使うことが多かったかもしれません。
テンポのいい読みが苦手だから、まずドキュメンタリーから…と、どこかで逃げていたかもしれません。これからは最初は出来なくて当たり前、と割りきってテンポの早いバラエティ番組で練習してみます!
また、間の取り方に関しても変なところで勝手に間をとったり、その間が長かったりしたかもしれません。全く間を作らないところから追加する、という考え方は自分の中で斬新でした!その方法でたくさん読んでみようと思います。
本当に、いろいろ参考になりました。ありがとうございました!!